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気持ちなら負けないとずっと思ってきたけれど……。心が揺らぐ。
あのコは、とても純粋に、とても綺麗な気持ちでサトのことを好きでいる。
しかも、昨夜サトが見せた、怖い程の愛情を、歪んだ執着心を自分に向けられていると気付いてはいない。
そう、サトの言う通り、本当に捕まったのは……。
戸田はふるっと、身震いすると頭(かぶり)を振った。
どっちにしろ、私の手には負えなかったということだ。
そして戸田は、いっそ清々しい気持ちになって伸びをすると、「さぁ、仕事、仕事っ! 」と、わざと大きな声を出してクラブハウスの中に入っていった。
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