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大きなグラウンドは2つあるが、どちらがAグラウンドかは、すぐに分かった。
ピッチの周りは沢山の人だかりで、時折、歓声が響く。
海月はスタンドに上がる階段を登ると、急いで見やすい位置を探そうとしたが、思いの外、人が多くてピッチ内が見えない。
海月はぴょんぴょんとジャンプしてみるが、見えるのは一瞬で、何をしているかも、ましてや理紫がどこにいるかなんて、全然分からない。
そして、跳ねながら、ふと、海月は思い出した。
……昨日もこんなふうだった気がする。
デジャブを感じて、眉をひそめた時だった。
「誰が好きなの? 」
「徳井 理紫……っ!」
いきなり聞かれて、反射的に答えながら振り向くと、同じ歳くらいの女の子達が5人程立っていた。
「やっぱりねーっ!!!」
女の子達は顔を見合わせて、笑いながら声を合わせる。
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