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懇願するように見上げてくる戸田の瞳には、涙が浮かんでいる。 小学生の頃から知っていて、女なのにフットボールの話が出来て、年上なのに同じ歳のようにお互いいつも言いたいことを言い合えて……。 しかし、仲が良かった筈の戸田のそんな顔を見ても、理紫の心は動くどころか冷えていくばかりだった。 「……無理だって 」 「どうしてよ……っ! 私の気持ち知ってるくせに! 」 「だから、お前が俺に対してそういう感情を持ってる限り無理 」 ため息を吐いた理紫に、ビクッ……としがみ付く戸田の手が震える。 「ごめん。 冷たいかもしれないけど、俺、お前の想いに対して煩わしいとか、面倒臭いとしか思えない 」 戸田が分かり過ぎる程に、濡れた瞳を見開いた。
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