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第1章
「呪われたシリユス家」
街の人からそうアルトは言われていた。
「この瞳と痣がダメなのか?」
自身の頬にある薔薇の痣。
左右違う瞳。
これはアルトの家系に代々伝わるものだった。
左右の瞳の色が違うのも遺伝だった。
兄は呪いの毒に侵され床に臥せている。
姉はこの痣をなくそうと魔術学園に入学した。
今日もパンしか買えない。
時間は進み、姉は魔術学園で出来た友人と恋人を連れて実家に戻る。
朗らかな性格の兄は彼らを優しく出迎えた。
アルトは買い物の為いなかった。
和やかに談笑してるとき、アルトが帰宅する。
この容姿を気味悪がられないか不安だった。しかし、兄の容姿にも驚かなかった彼らはアルトを受け入れる。
そして、寝る前にアルトは一人の青年と床に入る。
ベッドの空きがなくごめんと謝るアルトに青年は気にすんなと返す。
そこから二人は仲良くなり文通をするまでになった。
青年のお蔭で食事が満足に出来るようになる。
しかし、呪いはアルトの身体をむしばんでいく。
これは遺伝ではなく呪いだった。
18の時に痣は体内に毒を送り始める。
アルトももうじき18。
不安にかられる中、青年から告白された。
アルトは迷いながらも頷いた。
幸せな道を歩み始めれると思っていた。
悪魔と契約を交わしている。ある住民によりアルトは教団の牢に入れられる。
裁判など特になく、悪魔落ちと言われ火刑に科せられる。
生まれ変わったら、今度は幸せになりたい。
焼かれる痛みに涙を零すも悲鳴はあげない。
薄れゆく意識の中恋人を一目見た気がした。
「お前、一人か?」
アルトと青年の魂は時代を超え再び出逢う――
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