プロローグ

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私は田中君の存在を目で追うようになった。 彼の正体が知りたかった。 しかし、同じクラスでないのであまり接点を持つ機会がなく、見る事ができるのは、移動教室と、体育と、全校集会の時間だけ。 けれど、その時見る田中君は、どの田中君もいたって普通で、面白い田中君ではなかった。 そんなに気になるなら、話しかけてみれば良いのだけど、話題も見当たらなければ、勇気もなかった。 しかし、そんな彼が、今後自分の彼氏になるだなんて、その頃の私には想像もつかなかったと思う。
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