僕の嘘

2/2
前へ
/8ページ
次へ
なぜ君はあいつのそばにいるのだろう。僕にはそれがわからない 。 あいつといると、君はいつも不機嫌な顔をしているね。でも、僕といるといつもあいつの話をしているね。 僕には君がわからない。あいつといる時の不機嫌が真実なのか、僕といるときの君の笑顔が真実なのか。 僕にはもうわからない。半信半疑、君も、あいつも、自分自身すら信じられない。 だから僕は君が憎い。愛おしいから憎らしい。君の心を勝ち取っていくあいつに嫉妬してる僕がいる。心の底から憎んでいる僕がいる。 ねえ、お願いだから僕にもうこんな仕打ちをしないでくれよ。笑顔で相談を持ちかけるなんて仕打ちをしないでくれよ。あいつの話を僕にしないでくれ。 今日も君は僕に笑う。僕は笑顔で拳を握る。今日も手には赤く爪の跡がつく。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加