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わざとオーバーステアリングして180度回転させ、コーナー上がりの対向車線でエヴォーラは停止する。
ヒューガはすぐにヘアピンへ目を向けた。
次いでヘッドセットをオンにする。
「左ヘアピンで右タイヤを失うとどうなるか……レオさん、想像できますか?」
《左に曲がれずにガードレールへドン……か?》
「ふふっ、大正解で…」
バギィッ!!!!!!!!!!!
遅れてヘアピンへ入ったシェルビー。
ヘアピンのガードレールへ正面衝突、までは良かったのだが。
シェルビーはガードレールを突き破り、アスファルトで固められた丘肌を転がり落ちていく。
最下部、下段の道路に転がった次の瞬間、火花がガソリンに引火して火柱が上がった。
立ち登る黒煙は、丘上のヘアピンで唖然としていたヒューガの目にも映る。
「……あちゃー……ですね」
《今どき『あちゃー』なんて口に出すのお前くらいだぞ―――》
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