バル森でファイヤードラゴンのはずが・・・・・・・

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僕達は深い森の中に居た。 鬱蒼と繁る森の中。 バーンと一緒に歩いてる。 ああ。ガイには戻って貰った。 本来、使い魔はまだ居ないからね。 「随分と深い森だな。けど、前のガイザードベアよりは、ましか?魔物が襲って来ねえし?」 周囲を今回はちゃんと警戒しながら歩いてるバーンが言った。 「何を言ってるんだかね。あの時は異常事態で特殊だって言っただろ? 普通はこんな物だよ。でも、一応警戒は続けてよ? 此処は、たまにだけど、ランクの高い魔物も出るんだからね?」 僕の言葉に、緊張した表情で周囲の警戒をするバーン。 うん。前の時よりは随分と良いね。 僕達は、ゆっくりと森を移動する。 その時だった。 僕は急に足を止める。 「え?何?どうしたんだ?」 驚いた様子で僕を見るバーン。 僕はバーンに静かにと言って、耳に手を当てる。 そう。 僕は、耳に僕は魔道具をつけてる。 あの、ジェム達に渡した魔道具と対になる魔道具で通信用の魔道具なんだ。 そこから聞こえて来る音に僕は気がついた。 「何だ?何をしてるんだ?」 バーンの言葉に、僕は言った。 「僕、バーンに魔道具を渡したのと同じようにジェム達にも魔道具を渡したでしょ?」 僕の言葉に、キョトンっとするバーン。 「は?ジェム達って・・・・・・あ!まさか!あいつらに何か有ったのか?」 僕は、眉を寄せて言った。 「有ったと言えば・・・・有った・・・・かな。 面倒そうな状況なんだよね。 実は、僕のピアスに対になっててね、向こうの音を拾ってるんだ。 唯、ジェムやシリルの心音に影響を受けるようにしてあって、鼓動が早まったらこっちに連絡が入るようにしてあったんだ。 だから、ずっと連絡があった訳じゃないんだけど・・・」 僕は聞こえて来る音に耳を傾ける。 いやね。 魔物に襲われてるとか・・・・そう言った事じゃないんだよね。 でもさ。 面倒な状況になってるのは、間違いない事実。 さて。どうしたものか。
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