バル森でファイヤードラゴンのはずが・・・・・・・

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「おい!シリル!」 慌てたようにするジェムに、笑いながらガムが言った。 「ふふふふふ・・・・・・・。 シリルさんの事は私が預かりますよ。貴方は、諦めてお帰りなさい」 そう言って、シリルの身体に更に魔力を流し込む。 「うああああああああああああ・・・・・・・」 苦しみの声を上げるシリル。 「お前!何してるんだ!シリルを離せ!」 殺気を放ちながら、シリルを助けようとするのだが、女子が間に入り込んで来て全く近寄れなかった。 「くそ!シリルを離せ!止めろ!」 必死にガムの行動を止めようとするジェムを、鼻で笑うガム。 「諦めなさい。貴方には無理ですよ。では、行きましょうか」 そう言って、シリルを抱き抱えて歩き出したガム。 「おい!シリルを離せ!そんな無理矢理な事をするな!何を考えてるんだ!」 ガムは、笑顔で言った。 「何を言ってるのですか。貴方は。平民は私達の役に立って当たり前なんですよ」 ガムがそう言った瞬間。 パン!っと大きな音がした。 そしてガムが抱きかかえて居たはずのシリルは、別の人物の腕の中にいた。 そう。ローブを羽織った僕の腕の中だ。 危険と判断した僕はバーンを、ガイに任せて転移したんだ。 直ぐに僕はシリルの身体の中で暴れるガムの魔力を取り除く。 魔力コントロールが上手くなくては、危険な行為だ。 「な!君は誰だ!彼女をどうするつもりだ!」 僕は静かに言った。 あ、勿論声は魔法で変えてある。 「貴方は随分危険な行為を行いますね。無茶ですよ。他人の身体に属性魔力を流し込むなんて。拒絶反応が出て大変な事になる所だったんですよ?」 僕の言葉に、物凄く嫌そうにするガム。 「ローブで姿を隠してるから、全部が魔法使いとは限らないんですよ!貴方は本当に魔法使いなんですか?そうだと言うなら、証明して貰えますか! 言われただけでは、信じられませんよ!彼女は私達の級友なんですから!返して下さい!」 魔力を纏い、身体強化をしながら僕を睨みつけて来るガム。 僕はシリルの体内で暴れるガムの魔力を取り除きながら言った。 「魔力を他人の身体に流し込むという行為がどれほど危険なのか貴方は知っているのですか?」 声の調子がどうしても冷たくなるのは仕方ないと思う。 だって、これ以上続ければ、何らかの障害が残ったり、最悪死ぬ可能性も有るのだから。 僕の言葉に鼻で笑うガム。
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