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「ふん。私には関係ないですね。彼女が未熟だからそんな事になるんですよ。それを、私のせいだと言われても困りますよ。彼女は、私達と今から依頼に行かなくてはならないのですよ。
彼女をこちらに返していただけませんか」
ガムが、そう言った瞬間にジェムが言った。
「ちげえだろ!シリルは俺と一緒に移動中だったんだ!それをこいつが、無理矢理・・・」
そう言ったジェムに、呆れたようにガムが言う。
「呆れた人ですね。シリルさんが、嫌がってるのに無理矢理付け狙って仲間にして、連れ歩いて弄んだ癖に。シリルさんから、私は助けを求められているのですよ?」
そう言ったガムの言葉に、ジェムは驚愕の表情をする。
「はあ?なんだよそれ!ふざけんな!」
怒鳴るように言うジェムの言葉に、溜息をついて、ガムが言った。
「すみませんね。見ず知らずの魔法使いの貴方の手を煩わせるなんて。
私は、これでも英雄ガイザードの血を引く魔法使いの家系で、フーセン家の者です。
ご存知でしょう?ですから、私の行動に間違いなど有り得ないのですよ。
判っていただけますか?」
そう言ったガムの言葉に、僕は言った。
「呆れた人ですね。確かに、ガイザードが居た時期に同じ舞台に、フーセン・・・・当時はゴムでしたか。
その方が居たそうですね。伺っていますよ」
僕の言葉に驚いて僕を見るガム。
「は?何を?た、確かに、ゴム様はガイザード様の側近としてそばに居たと伝えられていますが。だから、その時にゴム様の娘がガイザード様に見染められて娘を授かったと」
その言葉に、僕は吹き出していた。
「あはははははは・・・・・・・・。凄いですね。良くもまあそんな嘘を」
僕の言葉に顔を真っ赤にして怒り出したガム。
「貴方は、失礼な人ですね!私の先祖を馬鹿にするのですか!」
僕はクスクスと笑いながら言った。
「当時は、ゴムはガイザードの作った魔法使いの部隊の末端に位置していて、側近などではなく、魔力量が少ない為に増やす為の訓練を義務付けられていたにも関わらず、サボってばかりで、除隊を示唆されて居たと聞いてますよ?
その時に、廃棄予定だった魔道具を持って逃走したと。
第一、ガイザードは、関係を持った女性はたった一人で、その女性は息子を産んでます」
僕の言葉に驚いたように、ガムが言った。
「あ、貴方は・・・・・・一体!」
僕はそっとシリルを、ジェムに渡して言った。
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