133人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
「初めまして。私は、英雄と呼ばれたガイザードのたった一人の直系の子孫の魔法使いで・・・・・・・・フリーダムと言います」
僕の言葉に、驚愕の表情をするジェムとガム達。
「う、嘘!たった一人の直系って・・・・・じゃ、ガム様は!」
「あ、貴方が直系だって証拠でも有るのかしら!」
「そうよ!口だけでは何とでも言えるわ!」
「ガム様だって、魔法の才能に溢れてらっしゃるもの!魔力だって沢山お持ちなのよ!」
そう言って僕を睨みつける女性達。
まあ、信じたくないだろうな。
「貴方は、随分と嘘つきで失礼な魔法使いですね。第一、本物の魔法使いかどうかすらも証明されてないですよね?」
彼の言葉に僕は、ああ・・・・・っと頷いて言った。
「そうでしたね。これで宜しいですか?」
僕はそう言って懐からフリーダムのギルドカードを出して、彼等に見せた。
彼等は僕のカードを見て、息を飲む。
そう言えば、王印を手に入れた事で僕のギルドランクがΩになったんだっけ。
僕の持つ、本来の王家の血筋に敬意をなんて言ってたけど、王家の姫と婚約なんて話まで出てたもんなあ。
勿論、断りました。
絶対に嫌です。
そんな事を思い出してると、ガムが言った。
「ば、馬鹿な!ギルドカードの偽造は犯罪なんですよ!貴方のような嘘つきがそんなランクの筈が無い!」
怒りに震えるように怒鳴るガムに僕は言った。
「私が嘘つきだと?カードの偽造は有り得ませんよ?貴方に私の本当の強さが理解出来るのですか?
ああ。丁度良いですね。此処は、或る魔物の住処の近くのようです。
こっちに向かってます。貴方達の依頼の対象ではありませんか?」
僕がそう言った瞬間。
彼等の後ろの樹々が大きな音と共に倒された。
そして、そこに現れたのは多くのゴブリンと共に、巨大なサイクロプス。
一つ目の大きな巨人で、腰布だけを巻いた姿で大きな棍棒を構える姿は恐怖を誘う。
女性が悲鳴を上げた。
無数のゴブリン達の狙いは女性だからだ。
ゴブリンに女性は産まれないから、人間の女性を攫って子供を産ませるのだ。
ゴブリン達は、喜びの声を上げる。
僕は、女性達の様子を見て溜息をついて言った。
「此処は、ガム君に全部任せなさい。女性達はジェム君のそばに移動して。結界を張ります」
僕の言葉に必死の表情で、ジェムのそばに走って移動する。
女性にゴブリンは酷だろう。
最初のコメントを投稿しよう!