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『特定性快楽症候群』あらすじ
主人公、山崎優太は、平凡な大学を卒業後、とある商社に就職する。
職場では努力はしたものの、思うような成果が上げられず、更に上司のいじめにあい、わずか半年で退職してしまう。
生活保護で何とか食いつなぐ日々で、地方に住んでいる親や同級生には無職であることを隠している。
金も、顔も、やるべきこともなく、ただ怠惰に日々を消費して行く毎日。
暇つぶしは、もっぱらインターネットだけだった。
やがて優太は、有名人に対する罵詈雑言をを匿名掲示板に書き込むようになる。
最初は刺激的だった、妬み嫉みの書き込みも、毎日続けていると段々と飽きていく。
そのとき彼の目に飛び込んで来たのが、ネットで大炎上している『ReGa(レガ)』の存在だった。
『ReGa』は、自分が流行りの事柄について意見をしたり、適当な雑談をしたりする動画を投稿している女だった。
彼女が美人なこともあり、動画は非常に人気が高く、『ReGa』の名を知らぬ者はいない程だった。
しかし、彼女が動画内でした発言がファンの怒りを買い、たちまち噂がネット上に書き込まれた。
優太本人は『ReGa』に対して恨みがなかったものの、騒ぐ材料が見つかったとばかりに飛びつく。
掲示板での罵詈雑言がエスカレートしていき、やがて話題は『ReGa』の自宅特定に移る。
謎解きゲームのような自宅特定に優太は夢中になり、あらゆる手段を使って、ついに彼女の住所を特定する。
『ReGa』は、相次ぐ誹謗中傷と住所特定により追い詰められ、首吊り自殺をしてしまった。
その事を知ってなおも、優太は薄暗い部屋で次のターゲットを探し、現実から逃避を続ける。
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