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……珍しいわね。こんな格好の子がこんなところまで来るなんて。
針妙丸
「離してよ霊夢~……」
それにこの感じ……。
私はいつの間にか真剣な表情になっていた。何かがおかしいと告げているのだ、巫女の勘が。
少女
「あなたが……霊夢さんですか?」
霊夢
「……そうよ」
少女
「お願いがあるんです。どうか……どうか異変を解決してください!」
少女のこの言葉を聞いて私は驚くと共に少しだけ安堵した。
なんだ……ただ助けを乞いに来ただけか。異変の解決ならいつものこと。ちゃっちゃと片付けましょうか。
霊夢
「ええもちろん。それで何が起こったの?」
少女
「よ、良かった……!でも急がなきゃ……」
霊夢
「ちょっと、何一人で盛り上がって……」
少女
「これを!」
少女は私の言葉を遮って本を差し出してきた。不審に思いながらも、針妙丸を持ってない方の手でそれを受け取る。
霊夢
「ん……?これって……?」
その瞬間、突然視界がぐにゃりと歪んだ。私は咄嗟に後ろに下がろうとしたが、もう遅かった。
霊夢
「っく……!?」
声をあげる間もなく私と針妙丸は姿を消してしまった。残された少女はゆっくりと額から手を離し、呟くように言った。
少女
「お願いします……どうか……この絵本を救って……」
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