19人が本棚に入れています
本棚に追加
しばらくすると、アリスが現れ私の目の前にあった椅子に座った。
アリス
「みんな、今日も来てくれてありがとう。絵本の読み聞かせも何回目になるか判らないわね」
アリスが話し始めると、様々なところから歓声が聞こえてきた。
「今日は何の本ー?」「早く読んでー!」「ちょっと押さないでよー!」「アリスちゃん可愛いよー!」
……凄い人気ね。というか何度もやってたのか。全然気付かなかったわ。
アリス
「今日も色んな人が来ているわね。絵本は子供大人関係なく楽しめる……言わば魔法の様なもの。そんな不思議な世界に、あなた達を招待するわ」
これがいつもの始め方なのか、アリスが喋り始めた瞬間、先程まで騒がしかったギャラリーが水を打ったように静まり返った。私はその雰囲気に多少圧倒されながらも、静かにアリスの声に耳を傾けた。
アリス
「さぁ始めましょう。今日のお話は」
アリスは静かに本をめくり、一番最初のページに書いてあるタイトルを読み上げた。
アリス
「『一寸法師』」
最初のコメントを投稿しよう!