むかしむかし

6/11
前へ
/111ページ
次へ
しばらくすると、アリスが現れ私の目の前にあった椅子に座った。 アリス 「みんな、今日も来てくれてありがとう。絵本の読み聞かせも何回目になるか判らないわね」 アリスが話し始めると、様々なところから歓声が聞こえてきた。 「今日は何の本ー?」「早く読んでー!」「ちょっと押さないでよー!」「アリスちゃん可愛いよー!」 ……凄い人気ね。というか何度もやってたのか。全然気付かなかったわ。 アリス 「今日も色んな人が来ているわね。絵本は子供大人関係なく楽しめる……言わば魔法の様なもの。そんな不思議な世界に、あなた達を招待するわ」 これがいつもの始め方なのか、アリスが喋り始めた瞬間、先程まで騒がしかったギャラリーが水を打ったように静まり返った。私はその雰囲気に多少圧倒されながらも、静かにアリスの声に耳を傾けた。 アリス 「さぁ始めましょう。今日のお話は」 アリスは静かに本をめくり、一番最初のページに書いてあるタイトルを読み上げた。 アリス 「『一寸法師』」
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加