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風呂から上がった俺は部屋着に着替え、ベッドに腰を下ろす。
と、同時に後ろに大の字に寝転がり、風呂場の次は部屋の天井を見る。
俺が今感じてる幸せ……。
それは間違いなく、ヘルグリムにいる皆のお陰だ。
皆がいるから、俺は笑える。
皆がいるから、俺は戦える。
皆がいるから、俺は強くなれる。
半ば自己暗示のような思考を頭の中で巡らせた俺は、ベッドから勢いよく飛び上がり、ふと思い出した事の確認をするべく部屋を出た。
部屋を出て最初に見たのは涼香の部屋の入口だった。
当然涼香が出てくるハズもなく、俺は涼香の部屋の前を通り過ぎて、ある場所へと向かっていく。
すると突然――
「うおっ!?」
後ろから背中……というか、腰辺りに衝撃が加わった。
気付けば自分の腰に回されている両腕。
靡く金髪。
「パパみぃ~つけたっ!」
そう、そこには優里がいた。
俺が優里を傷つけてしまった後、優里とはしっかり仲直りが出来た。
俺の誠意が伝わったのか、優里は全く根に持っている感情を見せない。
というか、ここは子供だから純粋無垢と言ったところか。
「どうした? 突然飛びついてきて」
「ううん! たまたま見つけたから飛びついただけだよ?」
何とも子供らしい返答だ。
優里と遭遇した結果、優里も一緒に連れていくことに決めた。
右肩の上に乗せた優里の体重は軽く、優里は俺の頭と手を掴む事でバランスを保つ。
そんな状態で歩いて行くと、目的地に到着した。
俺は優里に肩の上から降りてもらい、目前の扉をノックする。
「構わんぞ」
中から聞こえてきた声。
それを確認した後、俺は扉を開いて中へ入っていった。
「どうしたんじゃ? 何か用か?」
「ああ、少し気になった事があって」
俺はとある事を確認したくて、啓の部屋を訪れたのだった。
啓は俺にソファに座るようジェスチャーで教えてくれて、俺と優里は指示された通りソファに座る。
と思いきや、優里は俺の膝の上に乗ってきた。
「えへへ~……」
満面の笑みで微笑みかけてくる優里の頭を軽く撫で、向かい側に座った啓を視界に捉え、俺は口を開く。
「啓……ヘルグリムの中で絵画って見た事あるか?」
そう、俺が聞きたかったのは、まさにその事だった。
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