遠い距離

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大好きな人が今日、東京に行ってしまう。 彼、達也が旅経つのは後3時間後。 私は忙しい彼を千歳空港近くの公園に呼び出した。なるべく彼の負担にならずかつ、人が少なそうなところ。ここしかないと思った。 大好きな人と言っても私の恋人では無い。 最初に達也を見かけたのは高校の入学式だった。 大事な日なのに私緊張で前日あまり寝れなかったせいもあり寝坊して遅刻ギリギリだった。 それなのに……通学路にある木から降りれなくなってしまった子猫を見つけてしまった。 可哀想。そう思ったが私は横目で見ながらそのまま学校へと行った。 遅刻しないで済んだ……安心したところに男の人、達也が遅刻して教室に入ってきた。 先生には怒られる、周りからは注目を集め。馬鹿だななんて思っていたけど、彼の制服に猫の毛がついているのがわかった。 きっと彼は私が見捨てた猫を助けて遅刻したんだ その瞬間、私は彼に恋をした。 勇気を振り絞り彼に告白して恋人になれた時は本当に嬉しかった。 だけど、私は嫉妬深い性格から彼を束縛してしまう。 優しい彼は文句ひとつ言わない。そんな彼に私は甘えていた。 ___ある日、達也の友達からこう聞いた。 「あいつ、お前と離れないようにする為に中学から決めていた東京の大学進学諦めて地元の大学に行こうとしてる」 私も東京へ行くのは我が家の経済状況等から無理。それに遠距離なんて……私には出来ないかもしれない。 そもそも、こんなに重たい彼女がいたらこれからの彼の人生の重荷になってしまう。 そう思った私は彼に嘘をついて別れた。 ……本当の事を言ったら彼は絶対に東京行きを諦める。確信があったからだ 別れても彼の事はでも大好きで。 声を聞いたら今すぐにでも「嘘だよ」って言ってしまいそうで。 卒業式すら声をかけなかった。 ……学生生活最後。もう会えないのにだ。 だけど、友人から達也の出発の日時を聞いてまた揺らいだ。 そう言えば、私は彼に「おめでとう」も言っていない。 ……それに、最後にやっぱり会って話がしたい。 でも……。 色々と自問自答を繰り返したあとラインを送った。 「出発前に私と会ってくれませんか?」と__
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