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理紫が笑顔をそのままに、考え込むように手を口元へやると、その眼差しを光らせる。
「…そういうお前こそ何？〈ヒグチクン〉」
「お…、俺が聞いてんだろっ！」
端正でシャープな面差しは、相手を真っ直ぐに見つめるだけでも威嚇にも足る。
理紫は今まで自分の顔を好きだと思ったことこそないが、自分の顔の利用価値は知っていた。
「…分かってるくせに、聞くんだ？」
「……っ！」
酷薄めいた笑みを浮かべて、すっと低くトーンを落とした声で言ってやれば、見るからに樋口が怯んだのが分かる。
「……アンタ、一体？」
何者…？
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