10.

40/40
前へ
/40ページ
次へ
2人が顔を上げると、目前には何よりも1番欲しい子を独占している、妬ましい位の羨望の相手。 「…何んか用ですか?」 笑いに来たのか? それとも、これ以上に牽制してくる気か? どちらにしても…。 緒川は立ち上がらずに、上目遣いで微笑いながら言った。 「…いいですよ?。明日のことはどうにかするんで、早く行ったらどうですか?…海月、には、明日の朝、少し早目に来るように言っておいて下さい」 〈海月〉と名前に想いを込めたのは最後の意地か…。 すると、理紫が右手を口元にやり、笑みを浮かべる。 緒川は、それを見てカッ…と頭に血が上がったのを感じた。 「用が無いんなら、さっさと行って下さ…!」 「…そこで既に負けてんだよ」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

505人が本棚に入れています
本棚に追加