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「理紫、もう少しゆっくり…」
「……」
理紫に手を引かれて、速い足取りに転びそうになりながら、必死でついて行く。
「ねぇ、理紫ったら…」
もう1度名前を呼ぶと、何故か、理紫がピタリと足を止めた。
「きゃ…!」
海月は前につんのめって、理紫の腕に頭をぶつけてしまう。
「もうどうして、」
いきなり止まるの?…と全部聞けないうちに、理紫がポソリと呟く。
「やっぱり、我慢できない…」
「え…?」
クルリと振り向いて、いきなり片手で腰をさらわれた。
「今すぐ、キスさせて…?」
耳元に吐息で囁かれた甘やかな声は、耳の奥に響いて身体の中心に落ちる。
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