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「菜花…っ!」
海月は半分泣きながら、図書館に駆け込み、菜花の元に走った。
「…もう、奥山ったら、本当に呼んで来ちゃったんだ」
机に伏せながら、海月に気付いた菜花が力無く笑う。
海月は菜花の横にしゃがむと、だらんと落とした菜花の左手をそっと両手で掴んだ。
「…気持ち悪いの?どこか痛いの?」
「大丈夫、良くなってきた。もう少し休めばきっと…、あっ」
菜花は、海月の左手にキラリと輝く指輪に気付くと「良かったねぇ」と身体を起こす。
「菜花!いいよ、そのままで…」
「だから、大丈夫だって言ったでしょう?ここのとこ何んだか、熱っぽいし、だるいの。風邪ひいたんだと思うわ」
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