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まさかそんなことを言われるとは思わなくて、海月は目を瞠る。
「君達が仲がいいのは知ってるよ? 吉村がなのにとって特別な友達だっていうのも分かってる。なのは家に帰っても、『海月、海月』だから…。でも子どもが出来たら、今まで通りにはいかないって分かるよね? 」
諭すように話しながら微笑む教師に、海月は頷くことしか出来ない。
尚も稜雅は続ける。
「俺はこれから、なのに守っていくべきものを間違えて欲しくないと思ってる。分かって欲しいんだけど、俺には、なのと、それらを含めた全てを守らなくてはいけない義務と権利があるんだよ」
「……それは、菜花が言っているんですか?」
「ん…?」と稜雅が柔らかく聞き返した。
「私を守らなくちゃいけないっ…て」
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