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「…じゃあ、行ってきます! 」
理紫が、額の横に中指と人差し指の背をあてる。
それから、パシ…ッと海月の手から婚姻届を掠め取ると、一際、拍手と笑い声は大きくなった。
「…行くよ?」
瞬間、笑いながら海月を見る理紫の瞳に、真剣な光がよぎる。
「理紫…っ?」
そのまま手を引かれて窓口に行くと、前に並んでいた人が笑いながら、「どうぞ…?」と何故か順番を譲ってくれた。
「すみません、ありがとうございます。……お願いします」
「はい、承ります」
受付の、いかにも役所然とした男性が、理紫の手から婚姻届を受け取る。
「確認しますね」
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