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背中の方から聞こえた海月の「書けた… 」という声が合図のように、理紫がスッ…と身体を横にずらして海月の腕を引いた。
「理、紫…? えっ?、きゃ…!!」
その時初めて、自分達がそこにいる人全てに見られていると気付いた海月は、驚いて声をあげる。
「海月、落ち着いて。大丈夫だから…」
俺が、いるからーーー。
見上げた先の凛とした横顔に、海月は不安が溶けていくのを感じる。
大丈夫…、理紫が《大丈夫》と言うなら絶対に平気……。
理紫は、海月の肩に手をやると、女子高生達だけではなく、その周りで見ている人達をも見回し、深々と深呼吸をした。
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