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「なぁ、君みたいな子がアイツなんかのファンやってる必要ないよ。 俺が色々と教えてやるって言ってんじゃん? だから、この後…。」
男がそこまで言って、海月の肩に手を掛けようとした時だった。
「ちょっと、そこ開けてくれる? 」
柔らかい…、けれど厳しい声音と共に、開ける視界。
モーゼの十戒のように、海月と男を中心に人の波が左右に分かれる。 その先に立っている声の主は……。
スラリとした長い足、見上げるような高い背と均整の取れた体躯、気怠く揺れる髪は意志の強そうな瞳と同じ煌めくような薄茶色の…。
「あのさ、お兄さん、 手ぇ離してくんないかな、……それ、俺んだから。 」
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