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出来るなら、少しでも良く見える所で見たい。
よしっ!
海月は、脇を締めて両の拳を握ると覚悟を決めて、人の列に混じった。
そして、何んとか背伸びをすれば、人と人との間から通る選手が見えそうな位置を確保する。
爪先で立ってぴょんぴょんと小さくジャンプしながら、もう少し背が高かったら良かったのに…と海月は頬を膨らませた。
きっと理紫なら、『何言ってんの? 俺がいるでしょ? 』と笑って抱き上げてくれるだろうけど…。
そこまで考えて、理紫を見に来ているのに本末転倒だということに海月は気付き、自分が可笑しくて堪らなくなる。
…私、何んだか浮かれてるみたい。
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