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静かになった廊下に、理紫が海月のおでこに自分のおでこをコツン…と合わせた。
「……素直なヒトだから、助かった 」
ニコッと微笑う理紫を見て、海月は理紫の胸を軽く押し返す。
「大事な話なんて…嘘 」
ドキドキして、やっと出た声でそう言うと、理紫が海月の鼻先にちゅっ…と口付けた。
「大事な話なら…、あるよ? 」
えっ…と顔を上げると、今度はこめかみに。
「理紫? 」
大事な話って何?
聞きたいのに、口付けは頬から耳元へと移ってゆく。
「ねぇ、ふざけない…、んっ 」
あまく噛まれた耳朶に思わず声を漏らすと、理紫が淡く笑って言った。
「言葉よりも、大事な話が…、ね 」
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