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蕩けるような口付けは幾ら重ねても離れ難くて、意を決しなければやめることなんて出来ない。
最後にもう1度だけ触れてゆっくりと離れると、海月がけぶるような睫毛をうっすらと伏せたまま、ほぅ…っと吐息を零した。
夢現つに濡れた瞳は、艶やかに色を孕んでいて、理紫は、小さく嘆息すると振り切るように首を振る。
「……でもね、海月、これで終わりだと思ったら大間違いだよ? 」
悔し紛れの言葉を余裕ぶって言うと、海月がひどく驚いた顔をした。
思った通りの反応に、理紫は笑いたくなってしまう。
だから、更ににっこりと微笑んで続けてやった。
「こんなんじゃ、全然足りない。 今夜は寝かせるつもりはないから 」
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