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「何で? 」
「だって、恥ずかし…っ! 」
「そんなもん? 」
ぴょんと跳ねた海月の腰を攫った理紫が、「はい 」と携帯を渡してくる。
受け取りながら、フワリと浮いた足に、海月は慌てて周りを見回した。
「……っ! 理紫、ちょっと…っ! 」
「誰も見てないから平気だよ 」
「でも…っ… 」
下に置いた荷物を拾って肩に掛けると、嬉しそうに笑った理紫が海月を両手で抱き直す。
目線が高くて、いつも見上げている理紫の顔を見下ろす形になり、どうしようもなく鼓動がうるさく鳴る。
「ねぇ、理…… 」
「あー…、駄目だ。 俺、朝からずっと笑ってるかも 」
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