第2章

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幹明は幸世と過ごした日々を思い出す。確かにゲームやアニメが生き甲斐だった。 そう記憶をすり替える。 怒ったのは火李奈の方だった。 「お兄様をバカにしたのですか?」 いきなりだった。 火李奈が幹明を軽視した20代の女性を殴る。その女性と付き合っているのだろうやたらと長身の男性が咄嗟にこのクソガキと喚いた。 「コスプレして調子に乗ってんじゃねえの?どこのキャラよ?それ?」 カップルの男は恵(メグミ)、大丈夫か?とカップルの女に駆け寄った。恵は殴り飛ばされていた。 恵が火李奈に殴られた頬を抑えながら、言う。 「悠(ユウ)、こいつただのガキじゃないわ。歯が2、3本折れた」 「マジかよ!」 悠が狼狽して、ふと閃いたように、幹明を見た。 「おい、キモ男、俺とタイマンだ。女同士の戦いはそっちの勝ちでいいだろう。けど、どうだ?俺達はまだやれるな?」 場所は悠が指定した。名木沢遊園地の名物、ビッグ観覧車前のイベント広場で殴り合いの喧嘩をしようと一方的に決める。幹明は拒否しなかった。火李奈の前で堂々と戦い堂々と負けるつもりだった。 火李奈が幹明の心情を理解し、恵の腕から無理矢理離れて、庇おうとする。 幹明はいいんだ、と火李奈の額にキスした。
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