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ファンファンファンファンファン──
パトカーのサイレンがけたたましく辺りに響く。
ここは都内某所の裏路地。
時刻は13時50分──まだ真っ昼間だというのに、この一帯は警察で埋めつくされ、異様な空気に包まれていた。
「こりゃあ……ひでぇな」
「見事にバラバラだな」
「こ、こここれは……!?うっ、うっぷ!!」
「おいおーい。吐くならトイレで吐いてこい。……ったく。いい加減慣れろよ、あいつも……。もう20件目だぞ」
「まあ、慣れろっつー方が無理な話だ。あんなんいつ見たって胸くそわりぃ」
「はっ!!よく言うぜ、トシさん。あんたおにぎり食いながら『あれ』見てんじゃねぇか」
「ははっ!!まあまあ。……それより、この犯人、見事な位、証拠がねぇな」
「ああ、しかもいっつも裏路地だ。争った形跡なんて一切無いしな」
「……ふう、もう昼だし、飯食いに行くか!!」
「トシさん。あんた太るぞ?あ、松壱屋行こうか」
今回で20件目になる、バラバラ殺人事件。
警察は一連の事件を1人の犯人がやっていると考えている。
殺害された人物たちには関連性が無く、事件は解決しそうになかった。
が、しかし。
この事件の一週間後、犯人は捕まった。
──180人という大人数の犠牲を払って。
彼は小学校に白昼どうどう入り込み、三年生とその三年生を担当している教師全員を皆殺しにし、その後学校から出るところで身柄を確保された……。
一人だけ生徒が救助されたが、彼は泣きじゃくっていて、心療内科にお世話になるそうだ。
返り血に染まった彼の身体は不気味な雰囲気を醸し出していた。
凶器は日本刀。
それは1000万円を超える代物だ。
警察の事情徴収に対し、彼は、
「あいつのことを睨んだ奴を殺しただけだ。別にどうという訳じゃない。」
と供述した。
なお、薬物反応は出ておらず、精神状態も極めて安定している。
『あいつ』は、生き残った生徒である可能性が高いと見られている。
そして書類送検され、その年の末に行われた最高裁の判決で死刑に決まった。
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