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「ごゆっくり」と、僕が言うと、彼女は割り箸を取り、置いてある箱ティッシュから一枚それを取ると、お行儀よく割り箸を横にして割った。
と、丁度すぐ後ろのテーブルのお客が席を立ったので片づけをする事に。
早めに片付けないとお客が回らない。
そしてトレーに空いた皿を乗せて厨房に戻ろうと彼女の横を通った時、目が合ってしまった。
丁度ジョッキに口をつける寸前で、上目遣いで、僕はそんな彼女を見下ろす。
すると彼女は少しだけジョッキを掲げて、いただきます、と口だけ小さく動かしたのだった。
にこっ、と笑った顏は恥ずかしそうに頬を赤らめている。
はっ、とした僕は軽く会釈し、急いでその場を後にした。
やばい、やばい――可愛い。
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