初めてのクエスト、新たな出会い

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ヴェイン 「…くっ…」 メリア 「ヴェイ…わっ!!」 ナギサ 「なんて熱だ…! まともに近付けない!!」 火山の気候に合わせて進化した ベヒーモス種、ボルケイノ。 体から超高熱を発しており、 まともに触れれば それだけで人間は 死んでしまうだろう。 メリア 「…わたしだって… やればできるんだから!」 ヴェイン 「メリア!? 何をする気だ!」 メリア 「わたしに任せて!」 メリアがゆっくりと ボルケイノに近付いていく。 当のボルケイノは 手を出すわけでもなく メリアの様子をじっと 伺っている。 メリア 「…お願い、フラガラッハ。 私の声をこの子に届けて」 …なんだ…? メリアの槍が… 神槍フラガラッハが… 光り出した…!? ナギサ 「フラガラッハだと!?」 ヴェイン 「ああ。 まぁ今は置いておけ」 む。 ナギサがメリアの正体に 感づいたかもしれんな。 ボルケイノ 『むぅ…? ソイツは…神槍か? ってぇことは嬢ちゃん… エルフの?』 なんだ!? ボルケイノが、喋った…? メリア 「届いた!! わたしはエルフの王女、メリア。 お願い、ボルケイノ。 貴方がここに居ると 皆が不安になるの。 どこか別の場所で 静かに暮らしてくれないかな?」 …思い、出した…! これは 神槍フラガラッハの力だ。 魔物との会話を可能にし、 神槍の持ち主次第では 魔物を仲間に引き入れる事すら できるという…。 ボルケイノ 『へぇ、王女か。 ジークの小僧はどうした? それと…別の場所、ねえ。 この山はかなり 気に入ってるんだがなぁ』 ジーク。 確かメリアの兄で、 エルフの王だったか。 それを小僧呼ばわりとはな。 メリア 「元気だよ。 わたしはジークの妹なの。 うーん…気に入ってるのかぁ… 困ったなぁ…」 ナギサ 「ジーク卿の妹だと? あの子が?」 ヴェイン 「ああ、そうらしい」 まぁナギサは特に 悪い人間でも無さそうだ。 メリアが素性を明かしても 厄介な事にはなるまい。 ボルケイノ 『人間は人間らしく、 力ずくで排除したらどうだ』 メリア 「ううん。 本当はそういう風に 頼まれてきたんだけど、 わたしはできれば 話し合いで解決したい」 あくまで話し合い、か。
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