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今は夜。
クラニア火山から帰還し、
宿屋“スマイル”に
戻ってきている。
ナギサも一緒だ。
メリア
「…あれ…?
あ、あはは…
やだな…わたしったら、
また宿屋で目が覚めて…」
ヴェイン
「体の具合はどうだ?」
ベヒーモス種のモンスター、
ボルケイノ。
個体名はプレアデス。
奴と契約を果たしたメリアは
そのまま疲労で倒れ、
ようやく目覚めた。
あまり無理を
してほしくないのだが…。
メリア
「ん。
大丈夫だよ。
ごめんね、ヴェイン。
心配かけちゃって…」
ナギサ
「メリア。
夕飯は私が作った。
食べてみるといい」
エプロン姿のナギサが、
キッチンから現れる。
彼女が夕飯を作ってくれた。
その間、
私はずっとメリアを看ていた
というわけだ。
メリア
「…おいしい…
ふ、ふぇっ…」
突然
メリアが泣き出した。
どうしたんだ?
ナギサ
「ど、どうした?
大丈夫か?」
メリア
「わたし…わたし…
足引っ張ってばかりで…
今日も結局迷惑かけちゃった…
ごめんね
ごめんなさいぃ…」
そんな事を気にしていたのか…。
まったく
ヴェイン
「お前はいつも
頑張っているだろう?
今日だって、
プレアデスと会話をし
契約までこぎ着けてくれた。
アレがなければ、
私とナギサは奴と戦い
大怪我を負っていただろうさ」
そっとメリアの頭を撫でてやる。
いつも元気でいてほしい。
でなければ
調子が狂ってしまう。
ナギサ
「そうだぞ。
私だって驚いた。
あんな怪物と戦わずにすんだのも
メリアのおかげだ。
ありがとう」
ベッドで体を
起こしているメリアと
目線が同じになるように
腰を低くし、
優しく語りかけるナギサ。
最初はどこか
冷たい雰囲気だったのだが、
だいぶ変わったな。
メリア
「…うん。
うん。
そうだね…」
ヴェイン
「さぁ、さっさと飯を食うぞ。
せっかくの手料理が冷めてしまう」
私は、メリアの涙を
そっと吹いた。
メリア
「そういえば…
ベッドどうするの?
足りないよ…?」
確かに。
ベッドは二つ。
我々は3人。
ナギサ
「お前とヴェインで
同じベッドに寝るといい。
私はこっちを使う」
…なんだと?
メリア
「え、ええっ!?」
ヴェイン
「…ま、いつもと変わらんか」
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