第1章

6/10
前へ
/11ページ
次へ
それからの僕は何もかもを諦めながら今を生きている。 全てを諦めながら生きていく毎日は好きな事をしている時も、少しいい事が起こった時も何をしても悲しいだけだった。 「おはよう!」 そう言って笑顔のままで今も挨拶をしてくれる君に会えても なぜか悲しくなるだけだった。 「そろそろ進路決めた?」 卒業が近くなっていたから君がそう聞いたから 「就職するよ、大学には行かない」 君への想いは叶わない。 そう思ったから誰よりも君に愛されたいのに 大学に行くと決めていた君と離れて1人になろうとしていたことも 「そうなんだ…じゃあ会える事も減っちゃうね」 少し悲しそうな顔をした 誰よりも大切な君のためだったよ 僕といたら辛い思いをさせてしまう。 僕の記憶の中の君はいつも 今みたいに悲しそうな顔や 辛そうな顔だから。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加