第1章

8/10
前へ
/11ページ
次へ
「これで良かったんだよな…」 自分の部屋で君を想いながら独り言を呟いていた。 大切な君の一番の幸せを願って出した僕の答えは君から離れる事。 僕が君を一番哀しませてそうで僕が近くにいたらダメだと思ったからだ。 僕は本当に自分に自信が無かった。 君に出逢ってからも出来るだけ1人で生きてきた。 だからもう君の事を忘れようとして眼を閉じた。 だけど君との思い出だけが頭の中から離せない なぜ君だけが離せない。 そしてはじめて気付いた。 1人で生きてきたように思っていただけでいつも君が側にいてくれた事に。 「馬鹿だなぁ……今気付くなんて」 僕は一人じゃないと言う事、そして君への気持ち。 この気持ちは愛だと理解してしまった。 この感情を抑えきれないと認めた時になぜ涙が出たのかはわからないけど 部屋の窓から見上げた青空もよく見れば青一色じゃない その色の複雑さは 人の心を映したようだ。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加