第1章

9/10
前へ
/11ページ
次へ
少し時が流れて今日が卒業の日 「おはよう」 そう言って笑いかけてくれる君と歩く最後の通学路 あの日の空を見て決めたことを今日君に伝える きっともう遅いけど伝えたいんだ。 「ねぇ、ちょっとだけいい?」 少しだけ一緒に歩いてそう声をかけた。 「どうしたの?」 「ずっと言えなかった事があったんだ…」 じっと僕を見ている君の顔を見て伝えたい事を 「ずっと今でも君が好きだ…君に告白される前から」 素直に伝えられた。 でもやっぱりダメだった…君が泣いているのが分かったから。 勝手な夢を見てたんだ これから未来に旅立つ時に 未来に向かうボートに乗ってオールで漕ぐ僕からすれば後ろに進む 先に進んでいても僕には進む先は見えない でも君が向かいに座って僕の進む先をみててくれなら 何処に辿り着いたって、辿り着かなかったとして君がいる未来を想像すればだいたい幸せだった。 あぁ、今更だけどやっぱり君が好きだよ だから君の次の言葉が本当に嬉しくて僕も泣いたんだ。 「私も、まだ好きだよ…告白した後もずっと」 君も僕を選ぶなら 思い切り抱きしめた君をもう離そうとしないよ。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加