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それは春日井の考えていた一つではある。
「そうですね」と答えた。
喜勢川は口を開いた。
「いや、私が駒ノ山を名乗ります。」
駒ノ山は「それでいいのか?」と聞いた。
これには春日井は口を出せない。
丸く収まるにはそれが一番だと思う。
「妻木よ、せっかく部屋持ったのに、どうすんだ?屋号変えてか?」
力太郎が喜勢川に顎を突き出した。
「は、はい。そのつもりです」
喜勢川は頷いた。
力太郎は立ち上がった。
「何も心配すんな。俺の雷山を親方にやるよ。」
春日井は「まさか」と力太郎を睨んだ。
「お前は、一門の頭!いや、相撲界の看板力士だぞ!」
力太郎は口元を緩ませた。
「俺と年寄交換だ。俺が駒ノ山を名乗る!もう俺は悔いはない。」
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