五月場所

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2週間前ー 病室には、駒ノ山親方、おかみさん、春日井親方、喜勢川親方に、駒勝山が揃った。 駒ノ山は痩せた体を起こした。 「迷惑をかけて、すまない。こんな体ではあるが、杖を使えばなんとかだ。」 「大丈夫なんですか?」 春日井が聞いた。 駒ノ山は頷いた。 「すまん。」 駒ノ山は続けた。 「もっと早くに決断できれば良かったんだが、理事職を降りる事に加え、部屋の運営は厳しいと思う。」 春日井は予想通りの言葉だ。 しかし、それは数日前に喜勢川と話はしていた事だが、まだ答えは出ていない。 駒ノ山もそれは承知だ。 「夏場所後にと考えている。 喜勢川は念願の部屋を持った事だし、春日井親方に任せようと思う。 一門に散らばる事も一つではある。」
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