俺の脳はプラスチック製

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ポンポンとキャッチボールされる会話は、傍から見れば芸能人とそのマネージャーがするようなものではないのかもしれないけど、俺にとってはこの空気感が安心する。 小岩井さんとは俺が高校生からの付き合いなので、それなりに親しく関係が続いている。 それこそ、日常生活のカバーや、さすがに男女、かつ一応俺はそれなりに有名な俳優であるので、一緒に家で食事などはあまりないが、俺の家の冷蔵庫には小岩井さん特製の料理がタッパーに詰められて所狭しと並べられている。 俺の全身体の栄養エネルギーだ。植物でいう神々しい光だ。 つまりは俺の冷蔵庫は光であふれていることになるな。うむ。 まぁ、正直小岩井さんがいなかったら俺は干からびてそこらへんに天日干しにされてると思う。まじな話。 まさに、いろんな意味で頭が上がらない存在なのだ、彼女は。ありがたやありがたや。 「・・・何してるの。脳の方までプラスチック製だったの?それ頑丈だけどやっぱ安いから駄目なんじゃない?」 思わず拝んでいたらドン引きされていた。 失敬な。 「ってか、そんなことより。実家でトラブルって、大丈夫なんですか?」 「ああ、別に大したことないのよ。本当のこというと、三日で問題ないんだけど、社長がたまには親孝行しとけーって一週間も休みをくれたのよね。」 ぐっ、あの馬鹿(社長)め・・・。 俺の生命維持的人材を奪いやがって・・・。 そう思いながらも、この世界では長期の休みなどほとんどない。 ありがたいことに、俺は今それなりに売れているので、マネージャーの小岩井さんは俺以上に休みなどないだろう。 「ま、たまには返してやらないと、小岩井さんの家族に怒られそーですからね。向こうに俺からもお礼言っといてくださいな。」 「ふふっ、はーい。多分お母さんたち、四季君も連れてきなさいよっ!っていうと思うなあ・・・」 「えー。俺美和子ちゃん苦手ですわ。胸はいいんだけどね、胸は。」 「ぶふっ。相変わらず美和子ちゃんって。」 「だって、小岩井さんのお母さんってよんだら怒るし、じゃあおばちゃん。ってよんだら窒息死させられるかと思ったし。あーでも熟女の胸で窒息死もいいかもね。」 「はいはい。細胞プラスチック。」 それはいやだ。
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