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「どうしたの？こんな時間に」
俺の問いかけに冴子は何でもないことのように笑顔で答えた。
「剣持の浮気調査してたの」
「…………」
どう答えていいものか戸惑った俺に冴子は、あっけらかんとしたまま笑う。
「もう吹っ切れてるから、歩がそんな顔しなくていいのよ」
「……しかし……」
「だけど父がここまで大きくした会社だからね。
私の勝手で潰す訳にはいかないの。
元々、愛情なんてないまま結婚したんですもの。
だけどいざって時のために証拠だけは掴んでおかないと、ね」
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