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やがて、出来上がったおじやをお盆にのせて葉月が寝室へと戻って来た。
「お待たせしました。
お口に合うか分からないけど、不味くてもちゃんと食べてくださいね」
「……ありがとう」
やっとの思いで起き上がると、葉月はサイドテーブルにお盆を置く。
そして当然のようにレンゲでおじやをすくうと、フーフーと息を吹きかけ冷まし始めた。
思わず唖然とした俺に、葉月はニッコリと笑みを見せると、お約束の言葉を放つ。
「はい、あーんして」
「…………」
いやいやいや、子供じゃあるまいし。
いくら病人とはいえ、食事くらいは自分で取れる。
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