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しかし、これも葉月の好意の元に行われているのだと解釈すれば断るのはしのびない。
以前雑誌で見たことがあるが、女性が男性に向かってこうした給仕をするのは、友人であれば深い意味はないらしい。
きっと葉月もそういう類の人間なのだと自分に言い聞かせながら、彼女にされるがままおじやを食した。
「ごめん、葉月ちゃん。もうお腹いっぱい」
一人用の土鍋とはいえ、結構な量があっただけに半分程度食べただけで腹が苦しくなって、俺は葉月を手で制す。
「思ったより食べれましたね。じゃお薬飲みましょうか」
「うん」
頷いた俺に、葉月は水の入ったグラスを渡しドラッグストアの袋から風邪薬を取り出した。
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