Act.14 Side Ayumu

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もうこれ以上隠してはいけない気がした。 寝室を出て行こうとする葉月の背中に俺は覚悟を決めて呼びかける。 「葉月ちゃん、ちょっと待って」 「…………」 「何を勘違いしてるのか分からないけれど、昨日一緒にいた女性は、我が社の社長の奥さんよ」 「……え?」 驚いた表情で振り返った葉月に俺は笑って見せた。 「だけど……アタシの大学の頃の同期で、元カノ。 でもね、彼女の心の中には瀬那川の兄の龍都って男がいるの」 「…………」 押し黙ったまま、葉月は俺の次の言葉を待っているようだった。
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