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「アタシね、龍都から冴子を横恋慕したの。
だけどね、人から奪ったものはまた誰かに奪われるのよ。
だから奪われて自分が傷つく前に、冴子を手離したの。
でも彼女は龍都の元には戻らずに、現社長の剣持と結婚したわ」
「…………」
「だからね、今、彼女を龍都の元に返すために剣持社長を引きずり降ろそうと思って株を集めてるのよ」
「……え?」
驚きを隠せなかった葉月が俺を見つめて首を傾げる。
けれどもう、葉月に隠し続けるのはどうしても自分が嫌だった。
それに映見のために黒田君から身を引いた葉月なら……俺の想いを理解してくれる気がして。
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