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「冴子には幸せになって欲しいのよ。
だけどそれは彼女を今でも愛しているとか、そんなんじゃなくてね。
親友として、彼女の幸せを願っているの」
「……親友……ですか?」
「そう、親友。
龍都も冴子もアタシにとってはかけがえのない親友だった。
その関係を壊したのはアタシだったから……その罪滅ぼし、かな」
「…………」
「だから今日、葉月ちゃんがこうして家に来てくれて本当に助かったわ。
冗談じゃなく、アタシはこのまま孤独死するのかもしれないって不安になったもの」
笑いながら言った俺に葉月はゆらゆらと瞳を揺らしている。
だからあえて、満面の笑みを浮かべて俺は言った。
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