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「葉月ちゃん、ありがとう」
「……部長……」
「あなたもアタシの大切な親友よ」
それはたぶん、葉月に言ったのではなく自分に言い聞かせた言葉だ。
俺の中で確実に葉月を単なる”部下”ではなく、”女”として意識し始めていることに気づいているから。
これ以上、オネエの仮面を崩してしまわないように。
しばしの沈黙の後、葉月は諦めたようにひとつため息をつくと俺の元へと戻って来てベッドの脇に座り込んだ。
そして恨めしそうな瞳で俺を見上げる。
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