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「なんだかんだ言っても歩はその子が心配なのね」
「別にそんなんじゃないわよ。興味本位で行ってみただけで」
そう答えてホームへの階段を降りはじめると、同じ方向である冴子も一緒に階段を降りる。
「だけど歩は自分がオネエって公言してる割に、彼氏作らないじゃない?」
どこか悪戯っ子みたいな目で尋ねて来た冴子に苦笑いで答えた。
「好みの男に巡り逢えないだけよ」
「ふーん」
納得行かなそうな冴子と並んでホームで電車を待ちながら思う。
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