Act.14 Side Ayumu

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学生の頃も、家が同じ方向だった俺と冴子は良くこうして一緒にホームで電車を待った。 龍都から冴子のことが好きだと言われた日は、彼女とこうして一緒に電車を待つ時間がとても長くて、自分の気持ちを抑えるのに必死だったっけ。 だけど年月を経た俺と冴子は、もう二度とあの頃に戻れることはないだろう。 彼女の幸せを祈る気持ちは変わっていないが、こうして並んでみるとハッキリ分かる。 俺はもう冴子を愛している訳じゃない。 ただ……友人として彼女の幸せを願う思いだけで。
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