3106人が本棚に入れています
本棚に追加
学生の頃も、家が同じ方向だった俺と冴子は良くこうして一緒にホームで電車を待った。
龍都から冴子のことが好きだと言われた日は、彼女とこうして一緒に電車を待つ時間がとても長くて、自分の気持ちを抑えるのに必死だったっけ。
だけど年月を経た俺と冴子は、もう二度とあの頃に戻れることはないだろう。
彼女の幸せを祈る気持ちは変わっていないが、こうして並んでみるとハッキリ分かる。
俺はもう冴子を愛している訳じゃない。
ただ……友人として彼女の幸せを願う思いだけで。
最初のコメントを投稿しよう!