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旭が私を呼んでいる。
旭が私の所に帰りたがっている。
当然よ。
当然よ。
私達は永遠を誓い合ったんですもの。
自然とアクセルを踏む足に力が入った。
高山市内から山の県道へ。
茜には不慣れな道だった。
越えても越えてもカーブが続く。
早く行きたい。
でも、ここで事故を起こす訳にはいかない。
そんなことになったら、自分が迎えに行けなくなったら、それこそ女の思う壺だ。
カーナビは道なき道を示していた。
まだ昼間なのに薄暗い場所。
そこを左へと画面が示す。
バキバキと枝を踏み、小石を跳ね、ゴルフは1軒の平屋の前にたどり着いた。
―――『蓮池』
間違いない。
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