9 Baby Blue(限りなく優しい色)

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茜は俺が送ったメールを見てこれを遺した。 俺が茜を追い詰めたんだ。 俺が茜を、俺が茜を…殺した…。 (オマエハ誰ダ?) (オマエハ…?) (人殺シダ) 類の足元が崩れた。 「救急車を!」 刑事が叫ぶ。 『ノー!ダイジョブデス』 事件後ニューヨークから駆けつけた類の主治医で、友人でもあるウィリアム=カールが言った。 『ワタシハ、ルイノ友人。医者ヲシテイマス』 「彼はどうしたんです?」 『トテモ疲レテイマス。デモ、ダイジョブ』 類を支え、ロビーに座らせたウィリアムが言った。 それからウィリアムは、ONFALLのパーソナル事務所CRISISに電話をかけた。 現時点の状況として、彼にはしばらくの静養が必要なこと。 出来るならニューヨーク行きの便をキャンセルし、このまま環境の良い場所へ移るべきであること。 その候補地としてオーストラリアが良いと思うが、と進言したのだった。
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